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馬鹿な小学生日記1.02

久しぶりにお台場に行った。

初めて行ったのは20年近く前の大学生の時であったが、当時のキラキラとした雰囲気からすると、なんだか街が死に始めているように感じた。ビルのテナント看板には空きが目立ち、曇りのせいもあってかどんよりとした空気が立ち込めている。お台場が担っていた明るい未来都市という役割は、どうやら幻想でしかなったのかもしれない。永遠に完成しない街は、いつまで経っても普請中である日本の行き詰まりと重なるように感じる。

同行した知人、家族とヴュッフェで食事をした後、最新のエンターテイメント施設が導入されているジョイポリスへ向かう。

VRなどの最新技術に興味がありつつも、待ち時間の長さに辟易し、エアホッケーやモグラ叩きなどアナログ感溢れるアトラクションをほんのすこしだけ冷やかした。

何の気無しに目を向けたステージ形式のアトラクションに若い男女、比率にして2体8。スクリーンに映し出されるアニメキャラクターのコンサートに熱狂している。人が介在する作業がシステム構築、作画、作曲、アフレコなどの限られた領域であると考えれば、これは良い商売だと思いつつ、2.5次元に理想を託し興奮する若人達を訝しく思った。

VRをはじめとする最新映像技術はいづれ人の感情を支配していくのかもしれない。特に恋愛感情や性的欲求を。理想の相手にムハムハする時代はすぐそこまで迫っているが、それを退廃と呼ぶことをわたしはいとわない。理想のチョメチョメは叶わないから理想なのだ。叶わないが故に近づこうと切磋琢磨するのが進歩主義の根本ではないか。疑似体験によって理想の補完が可能だとすれば、そこに進歩が入り込む余地は無い。理想の相手とあんなことやこんなことやホワーンなことが、疑似的にであれ行えるのであれば、人間は実体験よりも疑似体験を選んでしまうように思えてならない。胸中によぎるVRAVへの抑え難い興味…。私は駄目な人間だ。心の防波堤は決壊寸前、北野のぞみによって壊される日もどうやら近そうだ…。

邪な感情を鎮めるため、馬鹿な小学生は2時間ドラムを叩くのであった。音楽の力をもって頭を空っぽにすることの効用を感じつつ。

知らない世界に触れることで、今日もほんの少し賢くなれたかもしれない。清教徒の如く、賢く、そして清くあらねば…。